私はRPAエンジニアとして複数の企業(エネルギー事業、飲食サービス業等)でRPA導入プロジェクトに参画してきました。今回は参画してきた多くの企業で活用されているSAPの自動化の事例と注意点をご紹介させていただきます。
RPAで自動化できるSAP業務
RPAは正確性やスピード面からSAPの単純作業のプロになれます
基本的に人がPC上で行うすべての作業がRPA化の対象になりますが、SAPの業務の中で特にRPAが力を発揮する業務は以下の通りです。
- データの登録
- データのアップロード
- データのダウンロード
- 登録したデータの取得
SAPのRPA化の導入ケース
SAPで発生する業務のほとんどがRPA化に向いています
私自身も実際にいくつもSAPを使用した業務のRPAによる自動化に携わってきました。その内の具体例をいくつかご紹介させていただきます。
- 伝票データの登録代行
SAPの伝票登録は決まった項目に値を入れていくため、どの画面でどの項目になんの値を入れるのかをロボットに指示すればRPAでの自動化が可能です。
条件に応じて入力する値が変わる場合も、条件がわかればロボットが自動的に入力値を変えてくれます。 - 登録データを回収し、Excelにまとめる
SAPではデータ登録と同じように、データを取得する場合もどの項目からどんな値を取得するかが決まっているためRPA化に向いています。
あらかじめExcelのフォーマットを固定化し、特定のフォルダに配置しておくと、処理時間になったらロボットが勝手に対象のフォーマットを複製し、取得したデータを転記して指示したフォルダに格納することも可能です。
これ以外にもいくつもSAPに関わる業務の自動化に携わった実績がございますので、ご興味があればぜひ一度ご相談ください。
SAP自動化の前提条件
SAPをRPAで自動化するにあたり、いくつかの前提条件があります
- RPAが現在利用しているSAPのGUIクライアントに対応しているか
利用するRPAによっては対象のSAPクライアント画面をうまく認識できないことがあります。そのため、SAPのRPA自動化をご検討する際に利用するRPAが現在使用中のGUIクライアントの自動化ができるかどうかを確認する必要があります。 - RPA側にSAPの基本的な操作(ログイン、入力、ログアウトなどすべての業務で必ず発生するもの)に対応しているパッケージ※1があるか
※1. パッケージ:RPAに対象の操作実施の指示を出すソースのこと
RPAにSAPの操作専用のパッケージがあれば、SAPクライアント画面のフィールドや各種ボタンの位置をより正確に認識することができるので、操作の安定性が担保されます。
SAP業務をRPAで自動化したい方。RPA導入をした際に自社のどんな業務の自動化ができるのか検討中の方。既にRPA導入済みだが更に成果を拡大できないかお考えの方。そんなお悩みがある方は是非、お気軽に私たちにご相談ください。
本記事の執筆者
ペネトレイター株式会社 土岐