Automation 360で開発時に発生するエラー事例

RPAを導入している会社に勤務されている方の中には、RPA開発の担当者に任命されたものの、研修後に実際ロボットを開発し始めると研修では起きなかったエラーが起きてそれからどう進めていいかわからないというようなことはないでしょうか。 私もRPAのエンジニアになりたての時は同じような悩みを持っていました。今回はRPA開発初心者が躓きがちなポイントとその解消方法について、アクションごとに説明させていただきます。

開発時によくあるツマリポイント

レコーダー:キャプチャがうまく取れない/取得したキャプチャがうまく動作しない

オブジェクトを取得する際に必ずレコーダー:キャプチャを使用しますが、オブジェクトを選択したのに、対象オブジェクトが見切れていて、クリックが反応しないことがありませんか?

レコーダー:キャプチャのアクションが動かない理由は、指定したウィンドウが小さくてキャプチャが上手くできなかったからです。

上手く動作しない場合は操作対象のウィンドウを最大化にすることをお勧めします。

<エラー原因例>

開いたウィンドウが小さい為、オブジェクト「Gmail」の取得位置がずれてしまう

<正しい設定例>

レコーダー:キャプチャで「Gmail」を取得する前に、予め指定ウィンドウを最大化する

【Tips】指定ウィンドウを最大化するアクションは「ウィンドウ: 最大化」を使ってください。

キーストロークのシミュレーションがうまくできない

キーストロークのアクションを使用した際に、入力速度が速すぎてロボットが打ち漏れしてしまったことはありませんか?これはロボットのスピードにPCが追い付かないことによる事象です。

それを解決するために、以下2つの設定をお勧めいたします。

  1. 各キーボードの操作間の遅延を設定する
  2. キーストロークの操作前後に遅延を入れる

各キーボードの操作間の遅延とは、キーボードの入力速度をコントロールする機能です。弊社の開発標準では100ミリ秒を設定します。もちろん、PCのスペックやネットワークに合わせて秒数を調整することもできます。ロボットの実行時間を考慮しつつ、安定した速度で設定しましょう。

また、キーストロークの処理は一瞬で過ぎてしまいますので、前後の処理に影響されないように、遅延を入れてスピードダウンするのもコツの一つです。

ループ処理が終わらない(ファイルに不備があった場合)

繰り返し作業を実施する際に「ループ」を使用するかと思います。ループする条件はあっているのに、実行した時に処理対象の処理が終わったのにループが終了しないことがありませんでしたか?

その原因の一つとして、対象のファイルに不備がある可能性が高いです。

例えばExcelファイルを使ったループ処理を行う場合、空白のセルに見えるが、ループが止まらないことがよくあります。その理由としては、該当セルに「スペースが入っている」場合、ロボットの中では「値が入っている」と認識したからです。

予めExcelファイルの空白行を削除するのは予防できますが、ロボットの中で回避するには、以下の方法があります。

「IF」を使ってセルの値に「スペースを含む」または「空白」の場合はループ終了を設定します。

<設定例>

※オレンジの囲みには「スペース」が入っています。

ウェブサイトの読み込みが間に合わない

ウェブページを使用したロボットを稼働する時に、ウェブページがまだ読み込まれていないのに次の処理に進んでしまったことはありませんか?

「ブラウザを開く」の後に、「遅延」を入れるにも、毎回かかる秒数が異なるので、多く入れるとロボットの動きが遅くなるし、少なく入れると、また開かれる前に次に進んでしまい、どうしたらいいかわからないと悩んでいる方もいるかと思います。

「遅延」の代わりに、「待機:ウィンドウを待つ」アクションをお勧めいたします。

「待機:ウィンドウを待つ」のアクションでは、「この条件が整うまで何秒待ちますか?」で設定した秒数を「最大」で待機させることができます。逆に言うと、ウェブページが早く開かれていれば、設定した秒数を待たなくても、次の処理に進めることができます。

特に待機時間がはっきりしない時に使うと便利です。

<設定例>

例えば30秒で設定しても、最大で30秒まで待機できますし、5秒以内でウェブページが開けば、5秒を待って次の処理に進めます。

オレンジで囲まれている設定をすることで、ページが開くまで待機してくれます。

まとめ

今回ご紹介させていただいた内容以外で、以下のコンテンツでも開発のTipsがありますので、ぜひ参考してみてください。

参照:Automation 360(Automation Anywhere社)の開発時によくあるエラー対応

RPAの開発をしているとほかにも様々な困りごとがあると思います。

弊社では多くのロボットの開発してきた経験がございます。ロボットの開発のサポートだけでなく、RPAエンジニアの教育など様々な形でのお手伝いすることが可能です。RPAによる自動化でお困りのことがありましたら、お気軽に弊社までご相談ください。

本記事の執筆者

ペネトレイター株式会社 荒井