Microsoft Edgeの操作を自動化しよう!

 RPAツールで業務を自動化する際、ブラウザ(インターネットブラウザ、Webブラウザ)を使用するロボットの作成は多くあります。SaaSが広く普及しているので当然といえば当然です。

 今回は、RPAツールで自動化ロボットを作成する際に使用するブラウザとしてMicrosoft Edgeはどんな特徴がある?どういう場合にMicrosoft Edge使用を強く勧める?そんな疑問にお答えしたいと思います。

1. Microsoft Edgeの特徴

 Internet Explorerが2022年6月15日にサポート終了して、その後継となったのがMicrosoft Edgeです。

 そんなMicrosoft Edgeですが、PCでの世界シェアは11%前後に対して、日本国内シェアはなんと約倍の21%以上になります。いずれもGoogle Chromeのシェア率を下回りますが、TOP3に入るほど人気のブラウザです。(2023年11月時点)

ブラウザシェア率出典:https://gs.statcounter.com/

 Microsoft Edge を活用する大きな理由の一つに、Microsoft Edgeは「IEモード」というものがあり、Microsoft Edge上でInternet Explorerでしか機能しないページの閲覧ができます。

 今でもInternet Explorerを使用しなくてはならないアプリケーションを利用されている企業にとっては、Microsoft Edgeはまさに必要不可欠なブラウザと言えるでしょう。

 さらに、Microsoft Edgeには非アクティブなタブをスリープ状態にさせる機能があり、長時間ブラウザを使用する作業を行うときはPCのメモリー使用を抑える効果もあります。

2. Microsoft Edgeの操作を自動化

反復するブラウザ操作は自動化へ!

 Microsoft Edgeの操作を自動化するにはVBAマクロやSeleniumなどが挙げられます。この二つは無料で使用できる反面、設定するにはプログラミング言語の知識が必要で、導入時の敷居が高く、運用中の人材管理や将来のリスクも考慮しなければなりません。

 一方、RPAは設計を行うための知識を要しますが、プログラミング言語の知識は不要です。ローコーディングでできるため、開発のボリュームを抑えることができます。さらに実行範囲もブラウザに限らず、ほかのPC上の操作も自動化可能です。

 ブラウザを使用する定型作業は往々にして他のシステムやツールも併用しますので、 一連の業務プロセスを自動化することを考えた場合、RPAの方がより優れているといえます。

3.各RPAツールにおけるMicrosoft Edge のサポート

マッチしたRPAツールを探そう!

 一言にRPAツールと言っても様々な種類があり、中にはMicrosoft Edgeをサポートしていないものもありますので、事前に調べることをお勧めします。

いくつか代表的なRPAツールのMicrosoft Edgeへサポートについてご紹介します。

  1.  Automation Anywhere:Microsoft EdgeVer.41以降対応。Chromium ベースの Microsoft Edge の場合、キャプチャとオブジェクトクローニングコマンドの実行中にいくつかの制限事項があります。
  2.  WinActor:Microsoft EdgeVer.100以降対応。Chromium版Microsoft Edgeの自動操作はWinActor Ver.6.3.1以降、自動記録はWinActor Ver.7.2以降で対応。
  3.  UiPath:ブラウザは完全にはサポートされておらず、システムが期待どおりに動作することは保証されていません。
  4.  BizRobo!:独自のブラウザレンダリングエンジンを使用しており、推奨ブラウザに関わらず、あらゆるサイトを操作可能です。

 Chromeのブラウザをお使いの方は別記事にてご紹介しておりますので、下記のリンク先から記事をご覧ください。

RPAツールがGoogle Chromeだと安定して動く理由

 他のブラウザをお使いの方もRPAツールがサポート対応しているか、各RPAツールのHPをご確認、またはお問合せしてください。

4.「IEモード」使用業務の自動化事例

業務に応じてブラウザを使え分けよう!

 弊社にて、「IEモード」を使用した業務を自動化した際、Microsoft Edgeのブラウザ操作がうまくいかなかった事例がありました。その際、業務内容に応じてブラウザを使い分けることで自動化に成功しましたので、今回はその事例をご紹介いたします。

 事例:Microsoft Edgeのブラウザを使用した業務で、「IEモード」でしか操作できないサイトを使用した業務と、「IEモード」を使用しない業務を一つのBotとして作成したが、Botは「IEモード」で起動したため、「IEモード」を使用しない業務はMicrosoft Edgeのサイトがうまく動作しませんでした。

 対策:この問題は「IEモード」でしかできない業務はMicrosoft Edgeを使用し、それ以外の業務は「Google Chrome」を使用するという具合に、使用するブラウザを切り分けることによって解決しました。

 このように業務に適したブラウザを利用することで、RPAが安定して動作することができます。

5.最後に

 すべてを自動化することは理想ですが、なかなかうまくいきません。しかし私たちは常に何が自動化できるか、どう自動化するかを模索し、解決案を提示してきました。

 もし、RPAによる業務の自動化ができるか、どの業務を自動化すべきか、または既にRPAを導入しているが、今の自動化に悩みがあれば、まずは私たちに相談してください。

 私たちなら貴社の業務効率化の一助になれるかもしれません。ぜひお気軽にお問い合わせください。

本記事の執筆者

ペネトレイター株式会社 髙橋

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