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「SAP BO」を使用した業務のRPA化について
「SAP BO」を使用した業務もRPAにお任せ!
今この記事を読まれている方で、実際に「SAP BO」を使用した業務があり、それを自動化したいと思っている人はいませんか?
実は、「SAP BO」を使用した業務はRPAと相性がいいです!
(1)「SAP BO」を使用した業務とRPAの相性がいいとされる3つの理由!
- BIツール「SAP BO」がブラウザ上で使用するシステムである
- ブラウザ操作はRPAツールが得意としている処理のひとつである
- データの出力・加工は単純作業の繰り返しで人間の判断が不要な業務である
これらの業務の特徴はRPA化がしやすい業務の特徴になります。
「SAP BO」を使用したBIレポート作成等の業務は上記の特徴に当てはまることが多いので、「SAP BO」を使用した業務はRPAでの自動化に向いていると言えます。
さらに、「SAP BO」を使用した業務をRPAで自動化することにより、以下のメリットがあります。
(2)「SAP BO」を使用した業務をRPAで自動化する3つのメリット!
- ロボットが処理を行うのでデータの抽出・加工のミスがなくなる
- 人間が実施するよりも速く処理ができる
- 対象業務にかかわっている人が多ければ多いほど、ロボットで自動化することで大きなコスト削減効果が期待できる
RPAは一度処理を覚えさせると、その通りに動きます。
人間が同じ作業をするよりも速く、そして、正確に処理するため、単純ミスを防げるだけでなく、人が他の作業をしている間にロボットが決まった時間にミスのない成果物を作成してくれます。
そのため、「SAP BO」の業務を自動化することより重要な経営方針や売り上げ分析などのクリエイティブな業務に時間を費やすことができます。
「SAP BO」関連業務の自動化成功事例
「SAP BO」関連業務の自動化成功事例をご紹介します!
前の章では、「SAP BO」を使用した業務とRPAの相性や自動化するメリットをご説明しました。本章では過去に自動化に成功した「SAP BO」を使用した業務の事例をご紹介します。
【自動化した業務の内容】
「SAP BO」からエクセルファイル形式でデータを出力し、指定のフォルダに格納する
【課題1】
対象業務に関連している部門・部署が多く、データの抽出条件や、出力する帳票の種類が整理できていない
【問題の原因】
自動化する前の対象業務は多くの部門、部署で実施されており、作業者によってデータの出力条件はバラバラで、帳票も不定期で出力されていました。これにより、利用目的に沿わないデータが出力されたり、必要な帳票が出力されていないことがありました。
【対応方法】
出力する帳票の種類と各帳票の抽出条件を整理したマスタファイルを作成する
帳票の種類が50個ほどあり、出力する帳票の種類によって抽出条件や抽出した後のデータの保管先が異なることが自動化の課題でした。
RPAは規則性がない作業を実施することが苦手なため、条件が多い場合はロボットが処理できるように条件を整理する必要があります。
そこで、私たちは、マスタファイルを作成し、帳票の種類別に、抽出条件、出力形式、抽出した後の格納先をマスタファイルに整理しました。
ロボットが「SAP BO」を操作するのに必要な情報が網羅されていれば、どんなデータでも出力が可能です。作成したマスタファイルの内容は以下の通りです。
- 2つのシートを用意する
- シート①:マスタファイル(抽出条件、出力形式、抽出した後の格納先等をまとめたシート)
- シート②:処理当日に出力対象のデータを数式でシート①からピックアップするシート
- シート②にまとめられた情報を基に「SAP BO」からデータを出力する
ユーザーとの合意のもと、ロボットのためにマスタファイルを運用する必要があるため、マスタファイルを運用する際にロボットに影響がないように、マスタファイルを管理するルールを決めることが重要です!
無秩序にマスタファイルを変えることができる状況ですと、ロボットが正常に処理を実施できず、後続の業務に大きな影響を与えてしまう可能性があります。定期的な更新やメンテナス、閲覧できる担当者を制限するなどのルールを設けて運用しましょう。
【課題2】
画面の処理がロボットに追い付かない
【問題の原因】
具体的にはデータ量によってダウンロードにかかる時間に差があり、ダウンロードが完了していない状態でロボットが後続の処理を始めてしまいロボットがエラーになる場合がありました。
【対応方法】
画面処理の速さに合わせてロボットを調整する
出力ボタンを押して、保存の画面が出てくる前にロボットが次の処理をしてしまうことが課題でした。そのため、「特定のウィンドウが消える(表示される)まで」や、「ブラウザ上のボタンが押せるようになるまで」などの条件でロボットを待機させ、完全に一つの処理が終わってから次の処理をするように調整しました。
BIツール「SAP BO」を使用した業務を自動化するポイント
今回の業務の事例を踏まえて、BIツール「SAP BO」関連業務を自動化するポイントは以下の2つです。
ポイント①:条件が多い場合、現時点である条件をすべて整理する
50種類の帳票等、規則性のない多くの条件を処理する必要がある場合、そのまま自動化しようとするとロボットの構成が複雑になり、安定的なパフォーマンスを維持することが難しい可能性があります。そのため、条件が多い場合は現時点である条件をすべて整理する必要があります。具体的には、不要な条件や似た条件を整理した上で、必要に応じて条件をまとめたマスタファイルなどを作成・運用することが重要です。
ポイント②:処理に応じてロボットに適切な待機時間を設定する
エラーが発生しそうな処理や、データの読み込みや出力時間に差があるような処理を事前にリストアップし、その処理に対し、例外処理(エラーが発生した場合に行う処理)や処理が終わるまでロボットを待機させるロジックを設定することが重要です。
ここまでBIツールを使用した業務を自動化するポイントについてご説明してきました。マスタファイルの作成方法や運用ルールについてもっと詳しく知りたい方、ロボットの設定方法についてもっとTipsが欲しいという方はぜひ弊社までご相談ください。
ペネトレイター株式会社 阿多