Acrobat Readerを使用した業務を自動化

日々の業務の中で、Acrobat Reader を使用した業務はありませんか?Acrobat Reader は多くの企業で使用されているツールの一つです。その業務を自動化するにはどうすればいいのか?そもそも自動化可能なのか?という疑問が多くあげられると思われます。そこで今回のコンテンツではAcrobat Readerを使用する業務 の自動化について事例を踏まえてご説明させていただきます。

RPAでできるAcrobat Reader(PDF) を使用した業務

どの企業でもPDFファイルの閲覧や編集といった業務はあるかと思います。PDF関連業務ではAcrobat Readerを使用されている企業様も多いのではないでしょうか?Acrobat Readerを使用した業務は当然ですがRPAで自動化することができます。

RPAはPCの画面上であれば操作・自動化が可能であるため、Acrobat Readerの画面もRPAで操作することができます。また画面の操作だけでなくショートカットキーをRPAで使用することができ、多くの機能を自動化することが可能です。

Acrobat Reader を使用した業務の中からRPAで自動化しやすい業務は以下の通りです。

  1. 目次や署名の追加
  2. 対象PDFの編集権限の付与・解除

上記のような業務は弊社が実際に自動化した業務でもありますので、今回はその事例をご紹介いたします。

弊社が実際に開発した業務の紹介

Acrobat Readerを使用して、送られてきたPDF資料を編集する業務を自動化した事があります。今日は、その自動化内容と課題、さらに解決策と注意点を紹介させていただきます。

事例内容

各委託先から受け取った教材(PDF)に対してAcrobat Readerを使用して以下の2点を実施する

  1. 対象のPDFページにクレジットを記載する(記載場所は受け取った資料によって異なる)
  2. マスターデータからパスワードを取得し、対象PDFの編集権限設定を変更する

自動化に当たっての課題

  1. ファイルごとに異なるクレジットの記載位置をロボットに指定する方法
    • ロボットは決められた処理しか実施できないため、ファイル対象ごとに、ロボットの動きを変更するような設定をしなければいけないという課題がありました。
  2. Acrobat Readerでは一部ドラック&ドロップができない箇所がある
    • RPAではドラック&ドロップ操作を設定できない場合が多いです。そのため一部手作業と同様の操作をRPAで実現することが難しい状況がありました。

課題に対する解決策

上記の課題に対して、以下の方法で解決を行いました。

  1. PDFの記載位置を特定するフラグを設定する
    • 記載位置を特定するルールを固定し、ルールに合わせて記載位置を特定してExcelファイルにまとめ、対象PDFに対して処理する際にExcelファイルから記載位置を読み取って多様な記載位置を指定することができました。
  2. 画面操作できない部分は、ショートカットキーを使用して操作する
    • Acrobat Readerのようなツールでは、ショートカットキーで操作できることが多いので、画面操作に執着せず、ショートカットキーを活用することによって安定した操作を実現することができました。

自動化する際の注意点

Acrobat ReaderをRPAで操作する際に注意しないといけない部分はやはりドラック&ドロップが再現できないことです。

再現ができなくとも、上記の記述通り、Acrobat Readerで行えるショートカットキーが多数あります。操作したい内容の導線を変更し、ショートカットなどの方法と組み合わせて、ドラック&ドロップに代わる操作方法を探すことが重要になります。

上記のように一部操作できない機能がありますが、別の手段で代替することが可能なケースがあります。さらにAcrobat Reader を使用してロボットを作成することで、RPA単体の機能よりも拡張した業務を自動化することができます。

Acrobat Readerを使用した業務は、自動化に向いている!

事例でもご説明したようにAcrobat Readerは機能ボタンやショートカットキーが使いやすい等の理由によりAcrobat Readerは自動化に向いているツールといえます。そのため、現在自動化していないAcrobat Readerを使用した業務があれば、積極的に自動化を検討してみてはいかがでしょうか。

また弊社ではAcrobat Readerを使用した業務を自動化した経験がありますので、是非Acrobat Readerを使用した業務を自動化したい!というご要望があればぜひ弊社にご相談ください。

本記事の執筆者

ペネトレイター株式会社 荒井