Internet ExplorerからMicrosoft Edge/Google Chrome移行の方法

Internet Explorerのサポートが2022年6月に終了しました。今回はRPAエンジニアの観点でInternet Explorerのサポート終了により起こりうる影響とRPAツールで使用するブラウザ変更対応について書いていきます。

Internet Explorerサポート終了がRPAツールに及ぼす影響

Internet Explorerサポート終了が影響を及ぼす内容ですが、サポート終了でこれ以上のバージョンが上がることは無く、現在でもInternet Explorerは使用できています。そのためInternet Explorerを使用するフローを組み込んだロボット自体は安定して稼働しているはずです。（むしろVersion Upが無いのでブラウザ依存のエラー発生のリスクは低下するかもしれません）

しかし、ブラウザを使用したアプリケーションでInternet Explorerを利用している場合は要注意です。考えられる問題として、以下の２つだと思います。

1. Internet Explorerがサポート期間中の時に作成したロボットが、Internet Explorerのサポートを終了してもロボットが動いているので改修を放置してしまった。
2. Internet Explorerを組み込んで作成した自社開発やソフトウェアに関して、他のブラウザに更新することがない、またはできない場合はInternet Explorerを使用せざるを得ない。

公式サポートの対象外となっているInternet Exploreを利用し続けることはリスクがあるため、ロボットを安定的に稼働させ続けるために優先順位をつけながらMicrosoft EdgeのIEモードやGoogle Chromeに移行を進めたいところです。

移行対象のロボットのリストアップ方法

簡単に言うと、ブラウザを使っているロボットがすべて移行対象になります。ただし、Internet Explorer移行先のブラウザによって、ロボットの改修方法が異なります。

まずは、ブラウザ移行の観点から2つに分けて、システムの種類まとめていただくことをお勧めいたします。

1. Microsoft Edge、Google Chrome等へ変更可能なシステム
2. Internet Explorerでしか使えないシステム／ソフトウェア

次に、上記①と②のシステムを使っているロボットをそれぞれピックアップします。①と②を種類別にまとめていただきますと、ロボット改修の計画を立てる際に役に立ちます。

次のフェーズでは、この2種類の対象ロボットをどのように改修するのか、改修時の注意事項を説明いたします。

ブラウザ移行時に伴うRPAロボット改修に起こるよくある問題

Internet Explorerを使用しているロボットを改修すると下記の問題が起こる可能性があります。

1. Internet ExplorerからMicrosoft Edge、Google Chromeに切り替えても、RPAがうまく動作しない
2. Internet Explorer以外で表示できないサイトがある。

何故このような影響が出てきてしまうのか、それぞれ説明していきたいと思います。

①に関してですが、まずブラウザを変更したことによってInternet Explorerとは違う表示になってしまい画面操作も変わる場合がございます。そのため本来ロボットが操作するはずのボタンが無いためエラーが発生してロボットが動かなくなってしまいます。

②は一部の Web サイトではInternet Explorer専用で開発されているため、Microsoft EdgeやGoogle Chromeと言った別のブラウザではサイトが表示されない場合がございます。そのためロボットが操作対象のウィンドウやボタンが無いことにより、エラーが発生してロボットが動かなくなってしまいます。

①の比較としてMicrosoft EdgeのIEモードではございますが、そちらで表示させたサイトとMicrosoft Edgeで表示されるサイトの画像を用意いたしました。使用しているURLは同一のものになります。

【Microsoft EdgeのIEモードで表示される画面】

【Microsoft Edgeで表示される画面】

【ご参考サイト】Move users to Microsoft Edge from Internet Explorer

https://learn.microsoft.com/en-us/microsoft-edge/web-platform/ie-to-microsoft-edge-redirection

このように同じURLで画面の表示が違う現象があり、実際にInternet Explorerを業務で使用しているクラウドシステムをMicrosoft Edgeで切り替えた時にInternet Explorerの時と表示が違う現象があり、ボタンをクリックしてもページが切り替えられない問題などでRPAの改修を行うことがありました。

これらの影響に対して事例を踏まえて解決方法をご説明いたします。

ブラウザ移行時に伴うRPAロボット改修に起こる問題の解決策

＜事例1＞
化学業界の企業で使用している社内システムがInternet ExplorerからMicrosoft Edgeに移行した際に一部画面のレイアウトとブラウザ名が変更になった

＜原因＞
ブラウザが変わったことによって、ページの表示が変わって画面と操作が変わった

＜対応＞
ブラウザの表示が変わったため、変更した後に画面操作を設定し直す。その後ウィンドウタイトルを移行後のMicrosoft Edge、(もしくはGoogle Chrome)に合わせて変更した

＜事例2＞
企業が使用しているInternet Explorer専用の社内システムをMicrosoft EdgeのIEモードで表示させるとウィンドウの認識ができなくなってしまった

＜原因＞
ウィンドウタイトルがInternet ExplorerからMicrosoft Edgeに代わるので、ロボットが変わったウィンドウタイトルを認識しなくなった

＜対応＞
切り替え後のウィンドウタイトルにRPAを改修し、RPAを実行した時にMicrosoft Edgeで正しく実行できた

まとめ

Internet ExplorerからMicrosoft Edge、Google Chrome等に切り替えることにより、Internet Explorer向けに対応したシステムでも表示できるようになります。

しかし、切り替えを行った際に、開いたブラウザのレイアウトの表示が変更されたり、ウィンドウタイトルが変更していない場合などによって、ロボットが動作しないことがあったりする際は、お気軽にご連絡ください。貴社の業務に基づき、サポートさせていただきます。以下よりお問い合わせいただきますと幸いです。