RPA×List Works(Interstage List Works)の自動化

請求書の出力業務は、事務作業の中でも代表的な作業ですよね。

システムを用いて、請求書を電子管理していても、結局人の手で、出力しなくてはいけない。

そんな新人でもできる業務は、RPAに一回教えて、ラクしちゃいましょう!

今日は、電子帳簿管理システムとして多くの企業で使用されているList Works (Interstage List Works)*を使用した業務をRPAツールで自動化したケースについて、お話していきます!

*List Works (Interstage List Works)=富士通株式会社が提供する”電子帳票システム“を実現するソフトウェアのことです。

RPAツールとList Worksの相性

RPAツールとList Worksの相性は良い!?

2024年1月から改正電子帳簿保存法により電子データでの保存が義務化されます。それに伴い、様々な帳簿管理システムを導入された企業も多くあると思います。私のクライアントではList Worksを導入されており、私もそのRPAによる自動化の開発に携わりました。

List Worksは見た目から操作しづらく、「目視」で確認するポイントが多いため、自動化対象から外されてしまいがちですが、実はRPAツールとList Worksの相性が良く、以下の注意点に気をつけてRPAロボットを構築するだけで、自動化による業務時間削減の効果が大きく得られます!

List Worksを含む業務を自動化する際の注意点

List Worksのファイルデータの容量に注意が必要!?

帳票ファイルの容量が大きいと、List Works内のデータの読み込みに時間がかかる為、注意が必要です!具体的には私がロボットを作成する際、1枚の電子帳簿ファイルに10枚以上の帳票があると、エラーが起きるかもと警戒します。

理由としては、電子帳簿ファイルを開く際に、帳票データのサイズによって読み込みの時間が変わります。ネットワークの影響によって、次の処理までに電子帳簿のファイルを開けていない場合があり、ロボットがエラーで動かなくなってしまいます。

ですが、ご安心ください!

以下対策をすることにより、上記のエラーを未然に防ぐことが可能ですのでご紹介いたします。

List Worksを含む業務を自動化する際のTIPS

操作データに対してのゆとりを持たせたRPAを作成する

List Worksのデータ読み込みによるエラーは、読み込みが完了出来るまで、RPAを待機させることで回避することが可能です!

  • 対策の詳細手順
    1.ロボットを構築する前に、電子帳簿ファイルを開く時間のおおよその最大値を把握する
    2.電子帳簿ファイルを開く設定の後、最大値の待ち時間を遅延や待機のアクションを追加する
    3.次の処理が行う前に、該当電子帳簿ファイルのウィンドウが存在するかを確認する設定を挟む

そうすることによって、電子帳簿ファイルが開いていないことによるエラーを防ぐことができます。

また、RPAツールの機能にもよりますが、Automation360では「ウィンドウが開くまで待機」アクションがあり、設定された最大値の時間を最後まで待つことなく、該当電子帳票の画面が開いていたら次の処理に進むこともでき、RPAの動作時間を短縮することも可能です。

List Worksを利用した業務の自動化事例

List Worksを利用した業務の自動化で、年間576時間の業務削減に成功!?

List Worksの業務は、目視確認箇所が多いため、クライアントのご担当者はList Worksは自動化出来ないと思い込んでました。

RPAツールに合わせた業務手順に変換すれば、自動化は十分可能です。

実際に私が参画したプロジェクトの中で、List Worksを利用した業務の自動化で年間576時間の業務削減に成功した事例がありますので、今回はこちらを紹介致します。

  • 事例:*List Naviから請求書を出力し、売掛金管理表を作成する
    *List Navi=List Worksの帳票一覧画面のこと
  • 自動化内容
    ①List Naviから前月分の請求書を特定の複数顧客ごとにPDFとして出力する
    ②出力した請求書を元に、売掛金管理表を作成する
  • 自動化にあたっての課題
    今回の自動化にあたっての1番大きな課題は上記の①の手順です。
    List Navi上では出力対象でない得意先の電子帳票も一覧画面に入っているため、出力対象月、および出力対象の請求書を特定する必要があります。
    今まで人が作業する場合は目視で一件ずつ確認していますが、ロボットでは目視での確認作業はできないので、「目視」の代わりに、確認する方法を検討する必要がありました。
  • 課題の克服方法
    現状の運用方法ですと、RPAの機能で上記課題を解消することが難しかったため、以下の方法をとることで目視確認と同様の動作をロボット上で実現しました。
    ①事前に顧客マスタファイルを用意する
    ②List Naviの電子帳票を年月の降順で表示するように設定する
    ③ロボットでは、電子帳票のプロパティを開いて、対象年月と顧客コードを取得し、顧客マスタと突合して一致するかを確認する
    ④一致する顧客の電子帳票のみ、電子帳票を開き、PDFとして出力する
    ⑤対象月より前の月の電子帳票まで来たら、処理完了とみなし、ロボットを終了する

上記のように、RPAツールの機能を活用して作成した自動化ロボットでも目視と変わらない業務を実行できました。

このロボットを実装したの結果として、

 毎月3人×2日(16時間)=月間48時間×12か月=年間576時間

の削減効果を得ることに成功しました!

「目視等の人が行い判断する作業は自動化出来ない。」とお考えの方。
ぜひお話を聞かせて下さい。
さらに業務でList Worksを使用している、List Worksを利用した業務の自動化についてもっと詳しく知りたい方は、是非下記よりお問い合わせください!

本記事の執筆者

ペネトレイター株式会社 平石