今この記事をご覧になっている方で以下のお悩みはないでしょうか?
- 社内で使用しているワークフローシステムでの業務の作業時間を削減したい
- ワークフローシステムを使用した業務を自動化したいが、自動化できるのかわからない
- ワークフローシステムでの業務を自動化するためにどのような準備が必要かわからない
- RPAで自動化できるワークフローシステムの業務のイメージがわかない
今回の記事ではそのようなワークフローシステムの自動化について、以前私が担当したワークフローシステムの代表例「intra-mart(イントラマート)」を使用した業務の自動化成功事例も踏まえてご紹介させていただければと思います。
intra-mart(イントラマート)とRPAの相性
intra-mart(イントラマート)とRPAの相性はあまり良くない?
intra-mart(イントラマート)とRPAの相性についてですが、実際に開発者として自動化に携わった立場としては、相性はあまり良いとは言えないでしょう。
相性が悪い理由としては、
- 操作の位置の指定が安定しない(例:承認ボタンがクリックできたりできなかったりする)
- 項目によっては、手入力ができず、入力方法が特殊なものがある(例:日付がカレンダー指定で手入力ができない)
等、RPA化するには致命的な問題が目立ちます。
ここまで読んだ方の中にはやっぱりこの業務の自動化は難しいんじゃないか?と頭を抱える人もいることでしょう。
しかし、少し工夫をすればintra-mart(イントラマート)のようにRPAに不向きなシステムでの業務でも安定したロボットを構築することは可能なんです!
次の章ではワークフローシステム(intra-mart(イントラマート))の自動化のポイントを伝授していきたいと思います。
intra-mart(イントラマート)を使用した業務の自動化のポイント
最短で処理できるルートを見つけることが自動化成功の近道!
前の章ではRPAとintra-mart(イントラマート)の相性はあまり良くないということとその理由をご説明しました。
ただ、RPAに向いていないシステムでも、ポイントさえ押さえれば自動化は十分に可能です。
intra-mart(イントラマート)の業務を自動化するポイントとしては以下の2つです。
- 対象処理の最短ルートを見つける
- あらかじめ想定されるエラーを特定し、処理がうまくいかなかった場合のエラー回避処理を設定しておく
特にintra-mart(イントラマート)の場合、RPAと相性がよくなさそうな画面のカスタマイズや、エラーが起こりやすい傾向にある箇所をあらかじめ特定することが容易という特徴があります。
ですので、処理の導線を工夫したり、あらかじめ想定できるエラーには対応できるようにロボットを調整したりすることで十分に安定したロボットを構築することは可能です。
次の章では上記のポイントを考慮して自動化に成功した事例をご紹介します。
intra-mart(イントラマート)の自動化事例
intra-mart(イントラマート)の自動化事例をご紹介
我々がこれまで実際に参画した案件でintra-mart(イントラマート)の自動化に成功した事例は以下の通りです。
【自動化した業務概要】
基幹システムから出力したデータを基にSAPや他システムから外貨入出金データをダウンロードし、対象データの情報と必要書類を添付して申請処理をする
<自動化の課題>
自動化当初、
- クリックの操作が安定しない
- 日付の入力がカレンダー指定であることによりロボットで選択対象日付の場所を特定することが困難
といった課題がありました。
- は、intra-mart(イントラマート)の特徴として1画面が大きいため、
- 画面下部でチェックボタンを押し、
- 画面上部で承認ボタンを押す
というように画面の移動が大きくなればなるほどロボットが場所を特定するのが間に合わず、2.の処理ができずにエラーになってしまうというケースが頻発していました。
- はintra-mart(イントラマート)の仕様で日付の入力がカレンダーから選択する形になっていたので、そもそも可変の月指定するのが難しく、なかなか選択したい日付が選択できない問題がありました。
上記の問題の解消方法は以下の通りです。
<解消方法>
- 安定しない箇所をあらかじめ想定した上でエラー回避処理をロボットに設定する
不安定なクリック箇所はあらかじめ想定できているので、1回目のクリックは失敗する前提でロボットを調整しました。
具体的には、「1回目のクリックに失敗した場合」はもう1回クリック処理するという処理をロボットに組むことで、エラーが発生しづらいロボットの設定に成功しました。 - 画面の仕様に合わせて1番あった方法でロボットを設計する
手入力はどうしてもできないので、カレンダーから選択する方法に合う処理内容でロボットを調整しました。
具体的には以下の通りです。
手動で作業をするときは1通りの方法でやっていると思いますが、ロボットで手動の作業内容を実現する方法はいくつかあります。画面の仕様に合った設定をすることで、RPAとは相性が良くない入力仕様でも安定的に動作するように調整できました。
今回はintra-mart(イントラマート)の自動化のポイントについて事例を踏まえてご紹介しました。
intra-mart(イントラマート)に限らず、他のRPAと相性が悪いシステムでも自動化に成功した事例がいくつかあります。
自動化に向いているのか、どの部分なら自動化できるのか、どのようにしたら自動化できそうかという精査からサポートしておりますので、興味があればぜひ私共にお声がけいただけますと幸いです。
ペネトレイター株式会社 土岐