RPAで自動化する業務の選定方法

この記事を読んだ方は、RPAツールを利用して業務を自動化したいけど、どの業務が自動化に向いているのか、どのように自動化の優先順位を付けるべきなのか悩んでいるかと思います。

今回はそんなRPAツールで自動化する業務の選定方法について紹介します。

自動化する業務を選定する際のポイント

自動化業務を選定する際の大事なポイントは主に2つ!

  1. 業務の全体像を把握する
  2. 業務を自動化する場合の難易度と削減効果を総合判断して自動化の優先順位を決める

まず、業務を自動化する際に大事なのは、業務全体を正確に把握する事です。そのために、自動化する業務を選定するファーストステップは業務の棚卸です。業務の棚卸を行うことによって、自分たちの業務量を可視化することができ、自動化の可能性を漏れなく網羅することができます。

次に、業務の作業人数、作業頻度・時間などから業務にかかる労力を確認し、自動化する際に得られる削減効果をどれぐらい得られるのかを算出する必要があります。

また、業務のルール化など、自動化に向いている要素がどれぐらい含まれるのかによって、自動化できるのか、自動化の難易度などから、開発工数を見積もります。

開発工数と削減効果のバランスを考慮し、自動化業務の優先順位を決めていきます。

今回は弊社で使用している業務棚卸シートを参考に、開発工数と削減効果に必要な項目を説明します。

自動化の開発工数と削減効果の判断に必要な項目内容

自動化業務の選定に関わる判断材料は業務の棚卸から収集しましょう!

業務の棚卸をやるのはいいけど、そもそもどこまで情報を収集すれば良いのか、収集した情報がちゃんと業務の選定に役に立つのか、不安に感じることが多いかと思います。

弊社では、自動化の優先順位を検討する際に必要な項目を網羅した業務の棚卸シートを作成しましたので、ご希望の方はお問合せフォームからご連絡ください。テンプレートを無料で提供させていただきます。

まずは自動化する際の削減効果に関わる項目から見てみましょう。

右側の「業務に関わる労力」の部分でこの業務に何人の人が関わっているのか? 1人当たりの作業時間はどのくらいなのか?を明確にすることができ、削減効果の概算を可視化算出する事が出来ます。

削減効果の概算=1回の作業時間x年間の作業回数x作業人数

次に自動化の可能性と難易度に判断する代表的な項目を紹介します。

「業務フロー図または手順書」がすでにある場合、現在の業務をすでに可視化できているが、まだ手順書がない場合は業務フローの整理から入る必要があります。また、作業手順の一貫性と承認フローの必要性の割合と合わせて、開発に当たってどれぐらいの難易度なのかがわかるので、開発工数の見積もりに参考できます。

さらに、使用しているドキュメントのタイプやシステムの数によって、開発の難易度にも影響されます。特に使用するドキュメントの種類によっては、自動化できる・できないに関わりますので、弊社では以下の項目も確認いたします。

ドキュメントの情報を収集することによって、使用するドキュメントのフォーマットの統一性や処理するファイルの数がどのくらいあるのかが明確になり、自動化に向いている定型タイプ(例:Excel)と非定型タイプ(例:Word)を特定することができ、より自動化の難易度を判断しやすいです。

自動化する業務の選定に必要な要素をピックアップできたら、要素を組み合わせて自動化対象の業務を選定し、自動化の優先順位を決めていきます。


自動化する業務の選定方法

優先順位の決め手は一つじゃない!

一般的には、「削減効果が高い」かつ「開発工数が低い」業務を最初に自動化すべきと考えるでしょう。ただし、そんな業務は実際にはそんなにないです。

なぜかというと、削減効果が高い=作業人数が多くて、作業時間が長くて、比較的に難しい業務になります。難しい業務を自動化するには、必然的に開発工数もかかりますので、理論上の削減効果が高いと開発工数が低いが備えている業務はほとんどないです。

RPAを動かせば、削減効果は得られ続けますので、弊社では導入の段階によって、以下の基準でお客様と一緒に自動化の優先順位を決めていきます。

  1. 導入初期では削減効果が低くてもいいので、開発工数がかからない業務から着手
  2. 導入6か月後から徐々に難易度が「中」の比較的に削減効果が出やすい業務を推進
  3. 導入1年後には難易度が高い業務を挑戦し、より高い削減効果を得る

多くのお客様の自動化を支援してきた弊社ならではの知見で、皆様の業務の開発難易度を判断し、自動化から得られる削減効果とのバランスを考えたうえで、どの業務を優先的に自動化すべきなのかを提案させていただきます。

RPAツールを導入しているが、自動化がなかなか進まない、自動化対象の業務が上がってこない、自動化を進めているのにROIをどうやって出せば良いのかがわからない、などのお悩みがある方は、ぜひ弊社までご相談ください。

自動化業務の選定から開発運用支援まで、貴社の状況に合わせてご提案させていただきます。

本記事の執筆者

ペネトレイター株式会社 星野