RPAで自動化に組み込まれているシステムがバージョンアップする場合の改修する判断と改修手順の流れ

RPAを使用していると、自動化したプロセスに含まれるアプリケーションや業務システムがアップデートすることがあると思います。
アップデート後にロボットがそのまま使用できるのか、改修する必要があるのか、今回の記事では改修の必要性を判断するためのポイントについてご紹介したいと思います。

システムがバージョンアップしてロボットは動くのか?

大幅な変更がない限り動きます!

対象のシステムがアップデートしてもウィンドウ名やオブジェクトの位置が変わったり、項目名が変更されたりしない場合は、そのまま稼働するケースも多くあります。しかし、システムによっては見た目が変わってなくても、例えばオブジェクトの内部的な位置情報などが変わっている場合には、エラーが発生するケースもあります。
システムがバージョンアップする際に、改修が必要なのかをどう判断するのか、その確認方法をご紹介いたします。

アップデート後の修正が必要になりやすい変更点

アップデート後は内部データが変わっている時がある?

システムをアップデートすることによって、アップデート前と見た目と変わらないことがありますが、まれにオブジェクトの情報が変更されていることがあります。その時に確認する内容として主に2点の内容に当てはまると改修をする可能性がありますので、対象のシステムとロボットの設定に差異が無いか確認してみましょう。

処理画面のウィンドウタイトル

ウィンドウタイトルが変わってしまう場合がありますので、ウィンドウタイトルが変更されていないか確認していただいた方が、アップデート後でも以前に使用していたロボットが稼働することがあります。

処理するフィールド(オブジェクト)の位置

アップデートされることで、オブジェクトの大きさやメニューやクリックするボタンなどが変更されることがありますので、ロボットで設定した内容と異なりエラーが発生することがあります。事前にアップデート前の画面とどのように差異があるのか確認をしておくと改修のする判断になるかもしれません。

これ以外にも修正が必要なケースもありますので、次の項目でご説明いたします。

アップデートがある場合に行うべき手順

改修する作業を明確にしてスケジュールを組みましょう。

アップデート後の修正が必要かどうか確認する際にウィンドウタイトル以外にも、事前に調べてから改修作業を行うことがございますので、その改修する際の流れをご紹介いたします。

アップデートに対応したテスト環境の準備

可能であればアップデート後のシステムを確認できるテスト環境を用意します。
テスト環境を準備することによって、変更箇所の特定や動作の検証、改修する工数の確認が可能になります。
テスト環境の用意の可否や準備できるスケジュールはシステムにより異なりますが、業務部門やシステム部門と連携し、システムのアップデート等の情報についてはRPA担当だけでなく関係各部門と共有される体制を用意しておくことが重要です。

テスト環境を利用した動作検証

今まで使用していたロボットがアップデート後の画面でも動くか確認し、改修の必要性の有無を確認します。
もしエラーが発生した場合は、エラーの発生を特定いたします。先にご紹介したUIの変更やウィンドウタイトルの変更などが原因として発生しやすいですが、エラーログを確認し、原因を特定した後に解決方法を検討します。

必要に応じたロボットの改修

テスト検証の結果、ロボットの改修が必要になる場合は、ロボットの改修を行います。
その際には、いつ、どのような変更を加えたのか分からなくならないように、変更内容をコメントや各種ドキュメントに追記しておくことが重要です。

改修したロボットのテスト

改修をした場合は、必ず動作テストを実施します。
テスト設計をする際には、正常系・異常系それぞれに対して変更箇所の影響を含むサンプルを使用するなど、変更箇所の動作検証が正しくなされているかを確認する必要があります。

ロボットの切り替えスケジュール調整

テスト環境を使用した改修を行う場合は、本番環境への移行が必要になります。
本番環境の移行時には以下のような点を考慮の上、関係各部門とスケジュールを調整します。

  1. アップデートはいつ行われるのか
  2. ロボットのスケジュール実行をいつ止めていつ再開するのか
  3. 切替後の受入テストはどのように実施するのか

ここではシステムがアップデートされる際の手順を簡単にご説明させていただきましたが、場合によっては、複数のシステムをまたいで大規模な改修スケジュール組む必要があるケースもあるかもしれません。そんなときは様々なシステムのアップデートや入替案件のサポート実績も豊富な弊社に是非ご相談してみてください。

本記事の執筆者

ペネトレイター株式会社 荒井