長年利用してきたNotesをRPAで自動化しませんか?

HCL社の提供するNotes(HCL Notes/Domino V9.0、V10)は、2024年6月1日でサポートを終了すると発表がありました。長きに渡り、多くの企業で利用されてきたNotes、今後もバージョンアップ行いNotesを利用する企業も少なくないことでしょう。このような長い間使用しているNotesだからこそRPAで自動化を行うことで、長期間の作業効率が見込まれます。

そのため今回は、RPAの経験と事例をもとに、Notesを利用した業務の自動化についてご説明させていただきます。

Notes関連業務の自動化優先度

Notesのバージョンアップや自動化への疑問から自動化の優先度を下げていませんか?

HCL社2024年6月1日でNotes/Domino V9.0、V10サポートを終了すると発表がありました。今回のサポート終了を機に旧バージョンの利用者向けに新バージョンのHCL Notes/Domino 12.0.xのバージョンアップが展開されております。

Notesをご利用されている企業には、Notesの利用は継続するものの、社内のリテラシーや他の業務フローとの兼ね合いでバージョンアップ自体は少し様子見をされるというような企業も多いのではないでしょうか。

そのような状況でもNote関連業務の自動化の優先度を下げずに検討いただきたい理由について以下の点からご説明させていただきます。

  1. NotesとRPAの相性
  2. バージョンアップの際のRPAの改修工数

RPA×Notesの相性

Notesを使用した業務はRPAの得意分野

Notesを使用した業務は繰り返し大量のデータを処理する場合が多く、そのような業務はRPAが得意としている業務です。

Notesを使用した業務

  1. 大量の文書データをダウンロードする
  2. 多くの文書データを決まった手順で編集する

RPAが得意としている業務

  1. 大量のデータを繰り返し作業する業務
  2. 決まった手順を繰り返し実施する業務
  3. 深夜や業務時間での業務

しかし、自動化に向いている業務でNotesを使用した業務が多く当てはまるものの、RPAツールでNotesの関連業務を自動化する際に、いくつかのエラーが発生するケースも確認されております。次章ではRPAツールでNotesを含めた業務を自動化する際に発生したエラー事例とRPAの処理を工夫することで自動化を実現させた事例を紹介します。

Notesを利用した業務の自動化事例

NotesとRPAの相性が悪くても、自動化は可能!

当社で今まで自動化したNotesの業務でRPAと相性の良くないところがいくつかを確認しましたが、処理内容の設定を工夫することで安定して自動化することに成功した事例を紹介いたします。

事例:メールで受信した見積書をNotesへ転記する

  1. 委託先からメールで受信した見積書(Excel)を取得
  2. Notesを起動し、文書を新規作成
  3. ①で取得した見積書の内容をNotesに転記
  4. 転記済のステータスに変更

今回③の転記処理で、NotesがエラーとなりRPAの処理が進まない事象が確認されました。RPAの一部の機能がNotesのエラーを引き起こしていることが原因と分かり、別の機能を利用して、転記処理を実施したところエラーなく安定してRPAが動くようになりました。(※詳細)

※マニアックな内容になりますが、より詳しいエラー解消方法は以下の通りです。

エラー内容:Notesがアプリケーションエラーを出力し、Notesのアプリケーションが強制終了
エラー原因:RPAの画面操作機能を使ってNotesの画面を操作したこと
対応策:  キー操作に変更する

⇒NotesがエラーなくRPAによる操作できるようになりました。

このようなことから、一つの手段ではなく様々な手段を模索し、最適な機能を選択することで安定したRPAを作成することは可能となります。

Notesバージョンアップ前後もRPAを自動化することで作業効率化!

バージョンアップやシステム変更で発生する、RPAの改修工数は少ない

弊社で対応したバージョンアップ作業で、Notesのクライアントソフトウェアのバージョン対応があります。その際一部機能の追加や操作の変更を対応するだけで継続して業務を自動化することができました。今回のバージョン対応の作業事例をご紹介します。

作業内容:バージョンアップの影響からNoteのタイトル名が変更となるため、RPAで参照しているNoteのタイトル名を新しいものに差し替える

改修作業の平均時間:1業務のロボットで約1時間

※改修後のテストにかかる時間はRPAの実行によって変わるため、上記改修作業の時間には含まれていません。

このようなバージョンアップ対応であれば、1業務あたり平均1時間で対応できる場合があります。もちろん、バージョンアップの内容や業務のボリュームによって改修内容と改修工数が変わりますが、インターフェースが大幅変更されない限り、RPA側での改修はそこまで工数がかからないかと考えます。

Noteを使用した業務の自動化、NotesのバージョンアップまたはNotesを別のシステムに切り替える場合のRPA対応などのご相談は、経験のある弊社にぜひお問い合わせください。

本記事の執筆者

ペネトレイター株式会社 杉山葵